4巻発売記念短編の解説的なお話
こんばんは、子子子子 子子子です。
シリーズ第4巻『魔術破りのリベンジ・マギア4.絶唱の歌姫と魔女たちの祭宴』の発売から今日で二週間が経ちましたので、今回の発売記念短編について解説したいと思います。
どうしてわざわざ解説なんかするのかと言うと、今回のお話は4巻を読んだ方には是非とも読んで欲しいからであります。
流石に二週間経ったのでネタバレは解禁しますので、未読の方はどうかご注意を。
【魔術破りのリベンジ・マギア】
— HJ文庫 (@HJbunko) June 1, 2018
本日6月1日の第4巻発売を記念して、「読める!HJ文庫」にて書き下ろしストーリーを公開いたしました! 4巻で登場する新キャラ、シナトラを中心としたストーリーなので、ぜひ4巻本編と合わせてご覧ください!
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【リベンジ・マギア4巻発売記念ストーリー】
— HJ文庫 (@HJbunko) June 1, 2018
ちなみに今回の書き下ろしストーリーですが、8つのエピソードで構成される大満足のボリューム感となっております!
"ショート"ストーリーとは……?
何はともあれ、本編読了後に是非チェックしてくださいね!
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『魔術破りのリベンジ・マギア』4巻発売記念ストーリー | 完全無料の小説サイト 読める!HJ文庫
今回は本編開始より四年前、シナトラがまだ魔術の道を志していなかった時分のお話です。
まあつまるところ、4巻本編でシナトラが語っていた『荒れてた時期』がこれに該当します。
この短編はシナトラはもちろんですが、彼の友人だったラッキー・ルチアーノとその仲間たちに焦点が当てられます。
ルチアーノとシナトラの関係については、史実でも諸説あるので難しい話なんですが、そもそもは『スターダムに駆け上がって行く人気歌手を貶めるために、マフィア界の重鎮との関係を取り沙汰するゴシップ』という側面が強かったのだと思います。
ルチアーノは当時のアメリカならず世界中の人間が畏怖する犯罪者であり、そんな彼と人気を博すスター歌手が何らかの関係を持っていたのだとするならば確かにこれは大事です。
2人の関係はFBIも捜査をしていたらしいのですが、情報公開法により現在公開されている資料からは、シナトラとルチアーノの関係を裏付けるような証拠は確認できていません。
FBIのスポークスマンも「公開された資料からはシナトラとラッキー・ルチアーノとの繋がりは確認できなかった」とコメントを残している。
では2人の関係はただの言いがかりだったのか?
シナトラやルチアーノはもはや過去の人であり、その真実を確認することはできません。
自分はシナトラとルチアーノの関係に否定的な文献と肯定的な文献を読んだ上で、「だったら物語として2人がこのような関係だったらいいな」と思い、今回のお話を執筆するに至りました。
ですので作中における2人の関係はあくまでフィクションですが、シナトラの過去に大きく関わってくるお話となりますので、本編をお読みの方はもちろんシナトラのことを気に入ってくれた方は読んでくださると嬉しいです。
以下、小ネタの解説になります。
《小ネタ解説》
【ラッキー・ルチアーノ】
本名サルヴァトーレ・ルカーニア、自称はチャールズ・ルチアーノ。
〝ラッキー・ルチアーノ〟の異名を持つイタリア系犯罪組織コーサ・ノストラの最高幹部。
犯罪シンジケートの立案者でもあり、あくまでビジネスとして組織をたたき上げ、しきたりを重んじるマフィアの世界を変えた改革者。
1947年2月に新聞各社がシナトラとの交友関係を大々的に報じたが、情報公開法によって現在公開されている情報からは彼とシナトラの交友関係を裏付けられるような情報は存在していない。
〈ラッキー・ルチアーノ〉のあだ名の由来は下記を参照。
ルチアーノは当時の上司を裏切るように仲間から誘われたがルチアーノは乗らず、誘拐され拷問を受けた。
その後路上で意識不明で倒れているのを発見されすぐに病院に運ばれて緊急手術を受け奇跡的に助かる。
55針を縫う大怪我を負ったが九死に一生を得たことから〈ラッキー・ルチアーノ〉というニックネームが付き、仲間からはチャーリー・ラッキーと呼ばれるようになった。
【ラスティック・キャビン】
ニュージャージー州イングルウッドにあるロードハウス。
WNE局のラジオ番組『ダンス・パレード』を中継している店で、シナトラは夜はここで歌い、昼はニューヨークやニュージャージーのラジオ曲へ懸命に売り込みを行っていた。
シナトラも最初はフランキー・トレントという芸名を押しつけられるが、界隈での人気が上がるにつれ、本名のシナトラを名乗れるようになった。
【Begin the Beguine(ビギン・ザ・ビギン)】
コール・ポーターが作詞作曲を手がけた曲で、曲名の意味は「ビギンを始めよう」
ビギンとはフランス領マルティニクのダンス音楽であり、これを始めるを意味するBeginにかけた言葉遊び的な意味もあるかもしれない。
〈キング・オブ・スイング〉の名をほしいままにしていたベニー・グッドマン楽団を辞めて自身のバンドを結成したばかりだったトランペット奏者のハリー・ジェームズは『ダンス・パレード』を聞いていた際にシナトラの演奏に聴き惚れたが、シンガーの名前は聞き取れなかった。
そこで収録先であるラスティック・キャビンに問い合わせたが、返って来た答えは「うちには歌手なんぞいませんや」だった。
なにかの間違いだったのかと気落ちするハリー・ジェームズに、電話に出た相手は「歌も少々やるウェイターならいますがね」とつけ加えたエピソードがある。
そして、確信を得たハリー・ジェームズはラスティック・キャビンを訪れ、自らのリスエストに応じてBegin the Beguineを見事に歌い上げたウェイターを招き寄せ「僕のバンドで歌わないか?」とスカウトをした。
こうしてシナトラは彼の楽団への参加を決めるのだった。
【ナンシー】
シナトラの第一の妻、ナンシー・ローズ・バーベイト。
彼女はシナトラと幼馴染みで1939年2月4日に結婚したが、1946年から別居を経て1951年に離婚するまでに3人の子供をもうけた。
シナトラは3人姉弟の長女に妻の名を取ってナンシーと名付けた。
【ラッキー・ルチアーノに射たれる前に】
LAST ALLIANCEの楽曲でアルバム『UNDERGROUND BLUE』に収録されている。
今回の短編のタイトルの元ネタ。
とても素敵な曲なので是非聴いてみてください。
最後になりますがシリーズ最新刊『魔術破りのリベンジ・マギア4.絶唱の歌姫と魔女たちの祭宴』は好評発売中ですので、どうぞよろしくお願いします!
店頭で見つからなかった際はお手数ですが、こちらの画像を活用してお取り寄せ頂けましたら幸いです。
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— HJ文庫 (@HJbunko) May 30, 2018
それでは本日はここで筆を置かせて頂きます。